臼杵の修理をされた方へ

臼の削り直し修理後はアク(樹液)が出るようになります

お湯を張るとアク(樹液)で茶色くなります。
お湯を入れて出てきた臼のアク(樹液)2-2
赤っぽい臼は赤っぽい茶色に
お湯を入れて出てきた臼のアク(樹液)
黄色っぽい臼は黄色っぽい茶色に

臼を削り直した後にお湯を張った直後の写真です。お湯を張るとアク(樹液)が出るようになります。新しい臼の場合にアクが出るのですが、削り直すことで新しい面となるために再びアクが出るようになります。お湯を張る時間を長くすると紅茶色からウーロン茶色になります。アクが出るということは、きちんと削り直し修理がされている証とご理解ください。

アク(樹液)は臼によって色や濃さが異なります。

アク(樹液)は同じケヤキ材の臼でも色や濃さが異なります。赤っぽい、黄色っぽい、濃い薄いというのはケヤキの種類、地域、伐採時期などによるもので問題ありません。澄んだ茶系の色であれば良好な状態といえます。

修理後初めてのご使用前にアク抜きをしてください。

ご使用前にはお湯を何度か入れ替えてアク抜きをしてください。水ではほとんどアクが出ません。お餅つきの当日でも大丈夫です。お湯を入れ替えると色が薄くなってきます。紅茶のティーバックのようなイメージです。無色になることはありませんので、色が薄くなった時点でご使用ください。アクの出方は個々の臼による異なりますが、5回以上はお湯を入れ替えるようです。臭いや味、健康には影響はありませんのでご安心ください。

杵はアク抜きの必要はありません。

杵も先を削り直すことでアクは出ますが、気にならない程度でのでアク抜きの必要はありません。

臼の削り直し後にひび割れが黒い線になる場合があります

黒い線はもともとの臼の表面の色です。

ひび割れの黒い線
全ての臼というわけではありませんが、中を削り直すことでひび割れが黒い線になってしまう場合があります。これはもともとの臼の表面の色が残っているためで問題はありません。

なぜ黒い線に見えるのでしょう・・・


臼が古くなると、表面が灰色に色あせてしまいます。臼全体が色あせているので気になりません。ところが、削り直すことでもともとの臼材の色となることで、ひび割れ部分だけに色あせが線となって残ってしまいます。つまりは黒い線になったのではなく、ひび割れ以外の部分が綺麗になったというわけです。