環境に優しい臼屋とは…

江戸時代は手作り…(1)昔のままの作り方。
…(2)修理に力を入れる。
…(3)材を無駄なく活用。

この3つのことを柱にして、環境に向き合っていきます。

(1)昔のままの作り方。

手仕事によるCO2削減。

一昔前までは電気もガソリンエンジンも無く、合成塗料もありませんでした。そんな昔を見習うことが、環境に優しいことだと考えています。臼・杵は電気やガソリンエンジンの機械をあまり使わず、人力でコツコツ作っています。大きい材の移動も手動のチェンブロックを使っています。

キクイ虫対策に殺虫剤は使いません。

木は常に害虫であるキクイ虫に狙われていています。立ち木や原木の状態から臼になっても、常に様々なキクイ虫の餌食となってしまいます。さらに杵柄にする堅いカシ材も穴だらけにする虫もいます。当工房では徹底的に材料を管理することで、キクイ虫の発生を防いでいます。

合成塗料・接着材は使用しません。

臼杵は無塗装・無着色です。埋め木などの補修にも接着剤は使用しません。

(2)修理に力を入れる。

臼修理の脇の黄色い菊の花1

臼も杵も長~く使えます。

臼は大切に保管して、修理・メンテナンスをすれば50年以上使えます。杵も先の削り直し、柄の再利用などの修理ができます。臼も杵を長く使うことで、製造によるCO2の排出を減らし、材の無駄使いを減らすことができます。
臼作りが忙しい11~12月も修理を受け付けています。

(3)木材を無駄なく活用。

国産の木材だけを使っています。

地産地消とまではいきませんが、国産の木材だけを使っています。海外の環境を守り、運搬によるCO2排出を減らすことにもなります。

杵の柄には縞模様のあるカシ材も使用します。

縞模様のカシ材は、見栄えが良くないという理由であまり使われません。縞模様はカシのタンニンと鉄分が反応して黒くなったもので全く問題ありません。じつはキクイ虫がつきにくいというメリットもあります。
杵の柄にするカシ材(縞あり)

短い丸太も手作業で製材しています。

チェンソーは使用しますが、手作業で製材所では扱えない短い丸太も活用しています。

木クズは分別でゴミ削減。

端材はレンタル用の薪にしています。さらに木クズを分類することでゴミは大幅に削減できます。樹皮は薪ストーブなどの燃料に、小さい木片は修理時の湯沸し用薪に、チェンソー屑は家畜の寝床や畑の堆肥に利用しています。
餅つき用品レンタル用の薪

とくに温暖化は臼屋にも重要な問題。

寒い時期の木しか使えない。

寒い時期に伐採した木しか使えないのですが、暖冬によって寒い期間が短くなり、材料の調達が難しくなってきています。時期の悪い材で臼を作ると色が悪い、カビが生えやすく腐りやすい、虫に喰われやすいなど良い臼になりません。

キクイ虫が元気になっている。

さらにキクイ虫の被害が北上しています。伐採後のケヤキ材につく虫の被害が急激に増えています。深くまで虫が入り、穴が黒くなってしまいます。また、まだ関東で少ないのですが、カシの木は虫の被害で枯れてしまう深刻な状況になっています。これも温暖化が原因と考えられます。

臼の管理が難しくなっている。

新しい臼は水分を多く含んでいるのでカビが生えやすく、温かい時期が長いとよりそのリスクは高まります。また、古い臼は虫に食われやすく、臼の保管でも悪影響を及ぼしています。

木の仕事は自然や環境と密接に関係している。

臼杵作りにとっては温暖化による影響が深刻化しています。さらに森林伐採が進み、臼の材料となるケヤキが激減しています。最近では木の仕事は自然や環境と密接に係わっているのだと実感させられます。