第六章 臼のデータ集

外径と深さ(6-3)

外径と深さの関係

外径と深さにルールはあるのだろうか。100個の臼の上部外径と深さを計測したものを集計して散布図を作ってみた。深さは13~25㎝まであり、その差が14㎝とかなりの幅がある。かなりばらつきはあるものの、外径が大きくなるほど深くなる傾向は見られる。

現在の臼は餅搗き専用だが、かつては米搗き用の臼が一般的だった。米搗き用の方が深く、返しもきつく掘られている。深い臼はその名残のようなものではないかと推測している。一方、餅搗きでは臼が深いと手返しがしにくい。餅の早搗きをテレビで見たが、浅い臼を使っていた。

ここで知っていただきたいのは「深さ=容量」ではない。掘り形状や縁の厚さ、返しの深さによって容量はかなり変わってくる。

臼100基から見た上部外径と深さ

100基の臼の上部外径と掘りの深さを計測したもの。最大径は太鼓型の臼は中程が最大径になり、下広型は下部が最大径となる。正円でない場合はおおよその平均値とした。深さは一番深い部分を計測している。

0.5㎝単位で計測してあり、点の数が100個ないのは同じ数値のものがあるため、重なって同一の点となってしまった。黒線は近似値曲線。