臼の製作手順・くびれ臼(3-4)
くびれ臼のくびれの作り方(山形臼の場合)
くびれ部分は木目方向にしか削ることができないため、節などがあると作るのが非常に難しい。素直な材を選ぶのがコツ。1~4は胴臼の手順と同じ。
- 1)丸太を用意する。伐採後1年ほど経過した材料で作ることが多い。
- 2)ノコギリで丸太を輪切りにする。
- 3)上面に円を描く。丸太に対して目一杯の円を描く。
- 4)オノやチョウナで円筒形に削る。山形ではチョウナは使わない。
- 5)くびれ部分にノコギリで切れ込みを入れる。浅めでよい。
- 6)オノ、チョウナではつる。
- 7)ノコギリでより深く切れ込みを入れる。
- 8)オノ、チョウナではつる。
- 9)希望の深さになったら、山形臼では上部はオノで台カンナ仕上げ、下部はチョウナ仕上げとなる。下部は手ヂョウナで仕上げることもある。
- 10)底面に円筒形の窪みを手ヂョウナやノミで掘る。これが持ち手になる。
くびれ臼は手間が掛かる
くびれ臼を作るのには大変な手間が掛かる。それでもくびれを作るにはもちろん理由がある。山形の例では、原木を山から出すのは大変だったため、山の中で臼を作っていた。作った臼は背負って山から出さなければならない。そのため、運搬を少しでも楽にするため、使用上なくても良い部分を削り取って軽くしたのだという。