臼の製作手順・胴臼(3-3)
臼を作る人々
現在は臼職人はとても稀少になり、旋盤を使った大量生産も行われるようになった。しかし、ひと昔前までは臼作りはもっと身近なことだった。臼職人は昔は臼師といってとくに珍しい職業ではなかった。太鼓屋が臼を作っていたという話もある。また、農家や林業関係者が自分の土地や山のケヤキを伐採して臼を自作したという話も多い。昔の農家は臼だけではなく、作れるものは何でも自作していた。
手道具だけで臼を作る基本手順
臼はとてもシンプルなものだ。丸太を輪切りにしてに窪みを掘れば臼になる。とくに説明することはないのだが、中を掘るときは下から上、もしくは横に削ること。ケヤキで作る場合は堅木なので削るのに苦労する。
現在は手作りといってもチェンソーと電気ガンナだでは使うのが普通。ノコギリやオノがチェンソーに変わり、チョウナが電気ガンナに変わった。
- 1)丸太を用意する。伐採後1年ほど経過した材料で作ることが多い。
- 2)ノコギリで丸太を輪切りにする。
- 3)上面に円を描く。丸太に対して目一杯の円を描く。
- 4)オノやチョウナで荒削りをする
- 5)チョウナか台ガンナで外側は仕上げる。
- 6)ノコギリ、ノミ、手ヂョウナなので取っ手を削る。
- 7)チョウナで底面を整える。ノコギリのままのものもある。
- 8)上面に中側の円を描く。
- 9)臼用のオノで粗掘りする。
- 10)手ヂョウナで削り形を整える。
- 11)チョウナ、台ガンナで上面の仕上げをする。
- 12)臼用のヤリガンナか丸台ガンナで仕上げ削りをする。
- 13)縁を面取りする。