第二章 刳物と臼の道具

刳物を作る道具(2-3)

現在の刳物に使われる代表的な道具

現在は刳物も進化して様々な道具で作られている。刳る道具だけに絞り紹介することにする。形が複雑になり、鉄もふんだんに使われているが、多くは弥生時代の道具が進化したものだということがわかる。

刳る道具

手ヂョウナ(手釿)

手ヂョンナ、手ブリなどとも呼ばれ、片手で使うチョウナのこと。短い柄が付いていて、金槌のように刃物に直接柄を入れる構造になっている。

ヤリガンナ

板などを削るものとは異なり、刃がJ字型に曲がっている。

セン(銑)

刃の両側に柄が付いていて、両手で引いて材料を削るもの。杓子の窪みはU字に曲がった刃、柄は真っ直ぐな刃のセンで削る。

台ガンナ

刳物ではあまり使わないが、台を丸くした丸ガンナで仕上げ削りをする。

ノミ・彫刻刀

個人的な意見なのだが、ノミや彫刻刀を使うのは刳物ではなく彫刻の部類に入ると思っている。ノミで刳物をする職人は少なく、工芸関係の作家が使うことが多い。