つきたてのおもちの美味しさを知らないなんて、もったいないですよ。それに仲間や家族でのおもちつきはすごく楽しい。おもちつきは難しくないので、ぜひ挑戦してみてください。
臼と杵と蒸し器以外はほとんどの家庭にある物ばかりだよ。
・臼(うす)…木製と石製があります。
・杵(きね)…おもちをこねたりつくのに使います。
・蒸し器(むしき)…もち米を蒸すもの。セイロと釜(鍋)、蓋のセット。セイロは木製と金属製があり、中にすのこが入っています。1~3段で使うのが普通です。ガスレンジ用や野外のプロパンガスや薪用があります。
・蒸し布巾…セイロにセットして使います。セイロの段数分の枚数が必要です。
・柄杓(ひしゃく)…臼の水やお湯を出すのに。片手鍋でも代用できます。
・バケツ(2~3個)…杵用と水捨て用。
・たわし…臼と杵を洗うのに使います。
・手桶(ておけ)・ボール…手水用。
・布巾(ふきん)…臼の中の水分を拭き取り用。
・バット・ボール…つきあがったおもちを取ります。
・ビニールシートかゴザ…臼の下に敷きます。
・保温ポット…できれば2個以上。お湯はたくさん使います。
・食器類
・木べら しゃもじ…おもちが熱いので火傷防止に。
・カセットコンロ・やかん…お湯を沸かせます。
・のし板…のしもち用です。なければまな板やお盆で。
・薪 ・マッチかライター ・軍手 ・火ばさみ ・うちわ ・消火用バケツ
・もち米(もちごめ)※
・もち取り粉(もちとりこ)…のしもち用、上新粉でもOK。
・あんこ…あんころ餅用はゆるめ、大福用は固めに。
・きな粉、大根おろし、納豆などなどお好みで
※1回につけるもち米の量は臼の大きさによりますが通常2~3kgです。1升=約1.4㎏=約10人分を目安にしてください。
おもちつきは難しくないから、手順をしっかり確認してね。
前日の準備 | |
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もち米の準備 | |
臼・杵の準備 | |
当日の準備 | |
蒸し始める1時間前にセイロやざるに揚げて水分を切ります。 | |
もちつきの場所にビニールシートなどを敷き、臼を運び水を張っておきます。杵も水につけておきます。 | |
お湯をたっぷり沸かし、保温ポットに入れておきます。 ※お湯をたくさん使うので、もちつき中はコンロなどでお湯を沸かしておきましょう。 | |
もち米を蒸す | |
蒸し器で45~60分蒸します。火力は超強火で。食べてちょうど美味しいくらいの固さに。 | |
何臼もつくときはセイロを2~3段あると1番目を蒸して20分後に次の2段目を追加すれば待ち時間を少なくできます。 | |
臼と杵の準備 | |
もちつきの10~15分前になったら、臼、杵をお湯で温め、湯を2~3回ほど入れ替え、臼と杵を十分に温めます。 | |
もちつき開始 | |
もち米が蒸し上がったら、臼の湯を捨て軽く拭き取り、もち米を入れます。(セイロごと臼に空けて、布巾とすのこを取り出します。) | |
杵でもち米をつぶしこねます。体重を掛けて米粒がだいたいつぶれればOK。この作業がもちつきの半分くらいです。途中で杵に付いたもちを取ります。 | |
杵でつきます。杵にもちが付くようになったらお湯で湿らせます。 | |
返し手はぬるま湯で手を湿しながら、もちを折り畳むように中心に集めます。 一回つく度に一回返すのが理想ですが、何回かついてつく手を止めてから返してもよいでしょう。 | |
途中に餅全体を持ち上げひっくり返します(1~2回)。粒がなくなってなめらかになったら出来上がりです。 | |
お餅がつけたら | |
あんころもち、きな粉もちのとき お湯で湿らせたボールかパットに取ります。ぬるま湯で手を湿らせながら、一口大のおもちを親指と人差し指で作った輪を締めて切り、あんこやきな粉の中に入れていきます。 | |
のしもちや大福もちのとき もち取り粉をたっぷりふるったのし板、なければお盆などに取ります。のしもちは粉を振って手で延ばして冷めて堅くなったらOK。 | |
臼・杵の片づけ | |
1)臼と杵はつき終わったらすぐにお湯とたわしで3回程洗えばきれいになります。 2)臼は横にして2日ほど陰干ししてから片づけます。 |
蒸し器の使い方を図で説明するね。上手に蒸せればおいしいおもちになるよ。
このセイロは当方で使用しているアルミ製のもので説明していますので、 若干異なることもありますので、ご使用のセイロの使い方の参考にしてください。
1)すのこを敷きます。 | |
2)蒸し布巾を広げて敷きます。 | |
3)布巾の中に水を切ったお米を入れます。 | |
4)お米をならします。 | |
5)布巾をお米を包むようにたたみます。 | |
6)お湯を沸かしている釜の上にセイロを乗せて蓋をします。
2段、3段で蒸す場合は時間差で蒸しあがるようにするため、例えば20分後に1段追加するようにします。 ※薪は燃し過ぎるとセイロを焦がすのでご注意を! | |
7)お米を蒸している間に臼に張っていた水を捨て、やかん一杯分のお湯で温めます。 冷めてきたらお湯を換えて臼を熱々の状態にします。杵も同時にお湯で温めておきます。 | |
8)お米が蒸しあがったらお湯をひしゃくなどで出し、布巾で水分を軽く拭き取ります。 | |
9)セイロごと持ち、布巾に包まれたお米とすのこを一緒に臼に入れます。 | |
10)布巾とすのこを取り出します。 |
薪は火力が強いので最高4段を同時に蒸せます。プロパンガスは安心できるのは2段(コンロの性能によっては3段も可能かも)、 家庭用のガスコンロは2段が限界です。ガスの場合はコンロの能力で蒸せる段数は変わると思います。また、屋外で蒸す場合は風の影響もあります。
もち米を蒸すときは大量の蒸気が必要です。薪は火力が強いので普通に燃やせば大丈夫です。 プロパンの場合は火力の強いコンロを用意。家庭用のコンロなら火力の強い口で最大にします。 火力が弱いときはセイロの段数を少なくし、1段の蒸す量を少なめに。また、セイロが木製の場合は焦げてしまうので注意してください。
力任せに縁を叩いて杵を割って壊してしまったり、臼の縁に傷をつけてしまったりというトラブルを防げるよ。
普通、右利きの場合は、右手は柄の先側、左手は柄の末端を握ります。左利きや右利きでも好みのより手を逆にしてもOKです。手が滑るようなら水で少し湿らせてシッカリと握ります。
体重を掛けてもち米をつぶします。もち米が一通りつぶれるくらいこねます。杵をこじるようにしたり、臼の周りを回りながらやるとお米全体をつぶしやすいでしょう。かなり力のいる作業ですので大変ですが、大切な作業です。こねが足りないとついたときにもち米飛び出してしまいます。
こね5割、つき5割を目安にこねてください。なかにはこねてほとんどおもちの状態にしてしまい少しついて終わり、なんていう人も。
2人で一緒に向かい合ってこねると早くて楽にこねられます。2人でお米を押すようし、回りながらこねていきますので、お餅がまとまりこねやすくなります。杵が2本必要ですが、大人用と子供用の組み合わせでもできます。大きい臼なら3人でもOK。
振り回すバットやゴルフクラブとは異なり、落とすように使う鍬(くわ)を使うような感覚です。持ち方は右手を先側でも、左手が先側でも構いません。先側の手では柄をゆるく握り、元側の手ではしっかりと握ります。慣れた人ほど先側の握りがゆるいものです。
右利きの場合、右手を柄の末端を握り、左手を先側とした方がつきやすい、という人もいます。利き手で柄の末端をしっかりと握り、利き手でもちをつくような感覚です。もう片方の手は補助。バットやゴルフクラブとは逆手ですが、私自身もそのように杵を持つひとり。試してみてください。
杵は振りまわすのではなく、杵の重さを利用して落とすようについてみてください。 楽なだけではなく、真ん中のストライクゾーンを外さずにつけるので、臼の縁を叩くことも少なくなります。 杵の重さや力が足りないと感じたら、先側の手で投げ落とすような感じで勢いをつけてつくようにします。
杵を振り回すと真ん中に当たりにくく、臼の縁を叩きやすいのでやめましょう。バットやゴルフクラブのように両手で柄を強く握っていると振り回してしまいます。柄側の手をゆるく握るコツをつかめば簡単ですので、練習してみてください。
杵を強く振りすぎると「ゴン」「ゴン」という音がします。勢いがあって良さそうですが、これは臼を叩いている音。臼も杵もすぐに傷んでしまいます。やはりおもちは「ペッタン」「ペッタン」という音がするようにつきましょう。お年寄りの方が若い人よりもつくのが上手いものです。
杵で臼の縁を叩いてしまうことがよくあります。臼を傷つけたり、ひどいときには内縁が欠けてしまうことがあります。さらに杵先が欠けたり、割れてしまい壊れて使えなくなることもあります。杵先が割れてしまうと修理不可能ですので、ご注意ください。
ちょっとしたコツを知るだけで、もちつきがレベルアップするよ。
前日の晩にもち米を研ぎ水に浸しておくことと、臼に水を張り、杵を水につけておくこと。
もちつきでは大量にお湯を使います。ポットは必需品でお湯を沸かせないときはポットにお湯を入れておきます。 3~5個は用意したいところ。野外ではカセットコンロが便利です。
蒸し上がったかどうかは食べてみて美味しいかどうかで判断します。時間はあくまでも目安。食べれば芯が残っているとか、まだ固いとかわかります。蒸すのさえ失敗しなければ食べられないお餅はできません。
もちつきの前に臼と杵をよく温めます。そうしないとおもちが冷めて硬くなってしまいます。もち米が蒸しあがる直前までお湯で温めておきましょう。
柄の付け根をしっかりと握り、体重を掛けてもち米をつぶします。こねが足りないとついたときにもち米飛び出すこともあります。慣れた人はこねてほとんどおもちにしてしまい、ちょっとついて終わりというひともいるほど。
お餅は熱いうちにつき上げないと、のびないお餅になってしまいます。手早くつくほどおいしいお餅になります。子供がつくときは時間が掛かってしまうので、大人がつき上げた後にしましょう。
臼はお餅がつきあがったらすぐにお湯で洗います。臼の中で杵も洗います。たわしで3回ほどお湯を入れ替えて洗えばきれいになります。洗い残しが多いのは杵の柄です。柄にもお餅がついているので洗ってくださいね。
おもちがとても熱いので、熱いのが苦手な人は木べらやしゃもじを使うと楽です。
粒がなくなって滑らかになったら出来上がりです。つけばつくほど柔らかいコシがないおもちになってしまいます。
ナナメにして臼の底の円周を地面に付けて転がして運ぶと楽で臼が傷つきません。バランスをとるのにちょっと慣れが必要かも。倒して足を挟まないように注意してください。
アルコールを摂取してのもちつきはやめましょう。ついビールを飲みながら…なんてしてしまいますが、杵で臼を叩いたり、力の加減が上手くいかないなど、臼と杵の破損やケガにつながります。もちつきが終わってから飲んでくださいね。
もちつきでは注意したいのは食中毒とケガ。楽しいもちつきのための注意事項をまとめました。
お米は研ぐと痛みやすいので、暑い時期の長時間浸水は冷蔵庫に入れるなど気をつけましょう。
古い食材を使わないように。とくに暑い時期はご注意を。
きれば手袋をしてお餅を扱ってください。つく人も手を洗って清潔にしましょう。
手返しの水も交換してください。ひと臼つくごとに入れ替えます。
食中毒が心配なら、熱いお汁粉かお雑煮にするとより安心です。
臼は小さいものでも40㎏以上あります。足に落としたり、指を挟んだり、腰を痛めないように取扱いには十分注意してください。
臼の持ち手は持ち上げるためではなく、臼を起こすため。持ち手の掘りが浅いものもあるので、持ち上げる時は底に手を掛けるようにします。 置くときには指をつぶさないように注意しましょう。
柄が折れているものは使用しない。柄のゆるんでいるものも抜けてしまうことがあるので修理してから使うように。
つきと返しを交互にやるときは、返しを失敗しても手を引っ込めて、やり直しては危険です。声を掛けてつきましょう。
餅つきは火や熱湯を使うので、火事と火傷に注意してください。
薪などの熱はメガネのレンズを痛めることがあるのでご注意ください。